::Diary

桂米八

お正月は、京都からそのまま大阪に少し滞在することができて、
家族と過ごしたり、
久しぶりの友達にも会えたりと、

ぜんざいもお雑煮も食べて、お正月っぽいことさせてもらいました。

一番の目的だったのは、
父の復帰の舞台を観ることでした。

私のは、落語家で、曲独楽をしています。
実は、昨年の夏。

父に食道癌が見つかりました。
当時私は舞台の本番中にその事実を知り、
偶然にもその時演じていたのは自分の父親が癌になるという娘役でした。
そのシンクロにも驚きましたが、
幸い父はその舞台を大阪公演で観にきてくれて、
ストーリーは伝えていなかったので、父の方が
その重なりに驚いていた様子でした。

その翌日から抗がん剤治療が始まりました。
父のすごいところは、
1ヶ月に2回やっている、曲独楽の教えを、
その治療中から一ヶ月後手術を無事終えて、
断食が45日続き、無事退院するまでの間、

一度も休んでいない、ということです。

そして12月のクリスマス前から、
父は舞台に復帰して、
お正月まで毎日本番を迎えました。

その、お正月最後のステージを、
観に行かせてもらいました。

何度も観ているステージですが、
いつもに増して、観ているこちらも緊張しました。
もちろんまだ完全に万全とはいえない身体で、
声もしっかりでない現状で、
やれる限りの精一杯の芸をやってみせる父に、
ただ成功しますように、手を握らずにはいれなかったのですが、

それでも途中はそんなことを忘れさせる瞬間に、
胸をなで下ろしました。

壮絶な病院生活から、今も闘っている父の姿に、
簡単な言葉は出てきませんでした。

もちろん、芸人です。
笑かしてなんぼ、お客さんに楽しんでもらってなんぼ。

父が、入院した時、
まっさきに忙しい中、お見舞いに駆けつけてくれたのは、
鶴瓶さんだと父から聞きました。

他の芸人さんもたくさん来てくださったみたいで、
ほんとに感謝すべきだなと思いました。

たくさんの人に支えられて、生きています。

うまく言えませんが、私もがんばります。
そして、父のこともよかったら、
応援してあげて下さい。


いつか恩返しができますように。